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2015.11.05

育む環境の言葉10・11

つなかま


【子どもの為だけでない子どもの環境でありたい】

 

「今、子ども達に必要なのは何より環境だと思います。」

兄弟も少なく、外で子どもだけではで遊びに行かす事も出来ない。

しかも、あれしてはダメ!これしてもダメ!と…

僕たち大人が知らず知らずのうちに、そんな環境をつくりだしてきてしまったのだけど…。

でも、子どもが育つ上で、この環境は極めて異常な環境だ!と僕たちは断言していかなくてはいけない状況にあると思っています。だからこそ、健全に育む事を許された唯一の場所を幼稚園、保育園の園庭に位置づけたい!と考えています。

【健全な環境とは】

育む上で「健全な環境である。」とは…

  • 良い事も悪い事も含めて、可能な限り多くの実経験が出来るような準備がなされていること。
  • 大人が余計な介入をするのではなく、子どもが自分の意思で取捨選択ができる環境であること。
  • 「やってみたい!」という欲求と「まだ出来ない」という葛藤が共存している環境であること。
  • 大人が子どもの頃に経験した経験を次世代にも贈っていける環境であること。

 

これらの事が含まれた「人として育つ環境」が健全な環境だと考えています。

 

【園庭で育むセンス】

今、多くの園では「子どもにけがをさせない」ことが大前提になっています。

(ぼくたちも決して、ケガを率先してさせようというわけでありませんが…)

しかしながら、ケガからも多くの学びがあることも忘れてはならないと思っています。

自転車に乗る時には何度も転び、頭では理解していても、身体が思うようには動いてくれず、

「身体で知る」ために何度ととなく転び、転ぶことで自然と身体が覚えていく。

周囲は何も出来ず…とにかく本人でしか習得する術はないという経験は、誰しもが一度は経験してきたことではないでしょうか?

失敗を繰り返す事で自転車に乗る事を習得すると同時に自分の身を守る術も体得していく。失敗による恩恵を「受け身」と言うカタチで習得していく。

本当の意味で安全であるということは最終的には「自分」でしか身を守れないことではないか?

そう考えた上で、危険を未然に感じ取る「センスを育む」ことが今、子ども達に何より重要なことではないか?と僕達は考えています。

大事には至らない「失敗」を何度となく経験しながら、環境に適応するセンスを育んでいく。

「失敗」が準備された環境を園庭に用意して、環境と折り合いをつける「センス」を育む環境でありたいと考えています。

暮らしの中での「美しさ」を含んだセンスを育んでいける場所としての園庭でありたいとぼくたちは考えています。

 

 

つなみゆ