かなや幼稚園2014.02/福島県いわき市
ASOBIあそび美術館MUSEUM
ひとりひとりが「遊び」に出会う場所。
子どもの発想からしてみれば、すべり台も逆から上ってみたいと思うのは自然な発想でもあります。
「こうやってみたい!」という子ども達ひとりひとりの自発的な発想を受け入れる遊具・考える力を育む遊具として計画しました。
公園遊具に見られる、すべり台・クライミンググリップなどのいわゆる遊びの要素はここでは排除し、代わりに木の板(檜)でつくった斜めのスロープ、エントツにあけられた窓枠や壁の凹凸・突起物といったように遊び始めの手がかりを残すことで、自分達の遊びの中で考え、発見を促す遊具として計画しました。
●園庭の部屋
遊具に挟まれた壁の構成により、遊具周囲の園庭を間仕切り、それぞれが違った様子を見せる空間となることを意図しています。
壁の開口部、壁間のズレ、隙間を計画することで、子ども達からしてみれば隠れている感覚を生み出しながらも、先生方からは見守り易くなっています。
●周辺環境を取り込む。
登った先では、地域の風景を見渡す。
スロープを登った先に、周辺を流れる新川といわき市の山並みを眺められる場所を計画しました。結果、土手を散歩する近隣の方とコミュニケーションが図られる場所にもなっています。
●空の部屋
遊具の最上階には難易度をあげる為、はしごの一段目を通常設定よりも高く設定しています。
(※身体能力が育った子のみがいける場所を計画する事はひとつの安全対策ともなります。同時にそれを他の子が見て、憧れる場所として計画することで他の子の育みにも影響が与えられます。)身体能力が育った子のみが登ることを許されたパーゴラ状に囲んだ空の部屋として計画しました。