育む環境の言葉06 〜子ども時間の自立〜
【子ども時間を大切にする。】
その為に園庭で見守る際の注視すべき対象を「子」から「環境」へと、ほんの少しだけズラしていきたいと考えています。
直接的に「子」を見守るのではなく「環境」を見守るかのごとく、間接的な見守り方であることで、より子ども達が主体的になれる:「子ども時間が自立する」と考えているからなのですが…
そこで、まず、「園庭での見守り」を見直していきたいと…
「園」と「家庭」は別物であることは重々承知しているつもりです
…同時に、「かつて…」が良いとも決して言いたくありません…。
ですが……「かつての…」「家庭」での育ちでは、
親は親の仕事をし“ながら”…
子は子の時間を過ごし…
お互いの気配を感じあい“ながら”…それぞれに、どこかで重なり合う自分の時間をつくりあげていた様に思います。
…そこでは、「大人時間」と「子ども時間」とに「均衡」が取れていた様に思えてなりません。
ところが、今のいわゆる「子育て」の環境では、「大人時間」を「子ども時間」に被せ過ぎてはいないでしょうか?(或いは、その逆もしかりですが、、、)
いずれにしても、どうも?これらの「均衡」が崩れてきている様に感じてなりません。
そんな事もあり、今、園庭では「子ども時間を自立させていきたい」と考えています。
【ダメから離れる】
その為にまず、園庭での見守りにおいては「子」を見過ぎてしまう事から、少しだけ距離を持たせていきたいとも考えています。
子どもに対する見守りが過剰になる事で、「あれしてはダメ…」「これしてもダメ…」という大人の事情ばかりが挙げられていきがちになります。
その結果、「ダメ」が増えざるを得なくなるという悪循環が生じている様に思えてしまいます。
見過ぎることは決して悪いことではありません。むしろ良い事です!
ですが、結果、その対策として「ダメ」を増やすだけの対処は止めていきたいのです。
むしろ、ここでしっかりと見過ぎる矛先を
「それは本当に“その子”の事を考えた結果なのか?」というテーマに変えていきたいのです。
【怪我があると…】
よくありがちな事で言えば…
園庭で怪我があったとしたら…
その場所はどうするか?…と言う問題についてにも言える事ですが…
大抵の園では、怪我があった事で、その場所では遊べなくしてしまいます。
大きな怪我はしないに越したことはありませんが、意味のある怪我もあります。
本当に子どもの事を考えれば、あれもこれも経験してみる必要があるはずです。
この場合でも、怪我した子は、一度経験した事で次は怪我をしない様に「身体」と「頭」がしっかり対応しようとします。
さらに、周りの子達も、「○○ちゃんが怪我した場所だから…」という事で自然と何らかの注意を払うようになります。
この場所が及ぼす環境を通じた「学び」が本来はたくさんあるはずなのです!
ですので、私は可能な限り、今、すぐにでも遊べる様にしてあげる事が最善の選択かと…考えてしまいます。
…良きにせよ悪きにせよ、ひとつひとつを経験していく事で「環境適応能力」は育まれていくものであり、小さな失敗にこそ、たくさんの学びがあると考えるがゆえなのですが…
「…言っていることはわかるけど…」
「でもね…そうは言うけれど…」
「もちろん、そうしたいのは山々なんだけどね…」
と仰られる方が、まだまだ多いです。
【育む環境のデザインとは】
しかし、そこを「経験」出来るように知恵を出し、試行錯誤していくことが、育む環境を考える事に他ならない。と同時に、そこを深く考えていく事が育む環境をクリエイトしていく事であり、発想力を伴うデザイン行為でもあると私達は考えています。
「大人として頭を使っていきましょう!」
「知恵を出していきましょう!」
「考えていきましょう!」
「子どもにゆっくり、しっかりとした時間を贈ってあげてください!」
その為に、どんな環境を用意すれば良いのか?をデザインしていきましょう!
大人のダメが先に見えてきてしまう環境は、必ずや「子どもが活きない環境になっていきます。」
そのことは知らず知らずのうちに当人達だけでは気づけなくなっていきがちな事でもあります。
…ダメがあることがあたかも当然のように思えていき、それがまた、保育の常識であるがごとく…の様に感じてきてしまいます。
そう陥る前に今一度、ダメの意味を洗いざらい考え直してみませんか?
「業界の常識は世間の非常識である。」ことが多々あります。(ある方の言葉の受け売りですが…)
もしかしたら、知らず知らずのうちに…?…が見つかってくるかもしれません。
今一度、世間の中に子ども時間が当たり前にあるという環境•地域にしていきたいのです。
※iphoneから“あれこれ話”を読まれる方へ
モバイル用のサイトはないので…少しでも快適にブログを読んでいただける…かもしれません。。。
このサイトをつくってくださったWEB TRUST さんのブログから…ご参照ください。
http://web-trust.co.jp/archives/325