BLOG
2017.09.04

「子どもの頃はよく大人の目を盗んで〇〇をしたもんだ。」

全体パース

「子どもの頃はよく大人の目を盗んで〇〇をしたもんだ。」…という言葉をよく耳にします。

実は「この大人の目を盗んで…」という行為があることが、相当重要な意味を持っていると思うんです。

「大人の目を盗んで…」やっている行為は、「見つかったら…もしかして叱られる“かもしれない”」事を前提に、それでもやる!

それが故に、本人としても、感覚的に、これから自分の身に何かが起こるであろう事をどこかで推測しつつ、行動をしていて…それだからと言うわけではないですが、仮に危ない事をしていたとしても、意外に、大きな怪我などが生じづらかったりもします。

一方で、実は、一番危ないのが“大人の目を盗まないで”  ただ、ただ、行動をしてしまっている状況で、この時が一番、気をつけなくてはいけない状況である様に思えます。

葛藤を感じ取ってほしい場所を計画する、あるいは、死角になりやすい場所を設計する上では、最も繊細にかつ、慎重に様々な状況を考えなくてはならないところでもあります。

よく2歳児さんについて、一番見守りが難しい年月であるという話を聞きます。…身体の能力がずば抜けて発達する時期で、何にでも興味があり、何でも出来始める事が楽しくて仕方ない時期、まだまだ経験していない事だらけで、叱られる事に対する推測も、先ずない時期…と言われています。

普段、私達が園庭を設計する時も、身体能力が高い(もしかしたら3・4歳より高いのでは?)が故に、一番気をつける成長時期で…ここまでやっておけば出来ないであろうという設計側のおごりの考えを、ことごとく覆してくれるスーパースターの宝庫期である(?)、と同時に、正に“大人の目を盗む事なく”全てに躊躇がない…と言うべきか?本能的な行動を見せてくれる時期であったりもします。

さて、そう考えると「大人の目を盗む」という行為は、ひとつの成長の証と捉えれる事も出来そうですよね。

…子ども達を見守る為には全てが見えていないと…と普通はそう考えがちなのですが、一人ひとりが成長する上では、大人の目を盗める環境も、時には必要な環境なのかもしれません。

もちろん、現場としては、“死角は怖い”と思うのは当然です。

…そこで、子どもの方からしてみれば、大人の目を盗めて、大人の方からはその子の気配を感じ取れている場所…そんな場所があったらいいですよね。

よく、上手い保育をされている先生が、夢中で遊んでいる子どもから少し離れて、見ていないふりをして、実際の目では見ていなくても、しっかりと見守れていたりしますよね。

こんな関係を環境的に作れれば良いわけで、環境を作る上でも決して出来ない事ではありません。

大人の目を盗めているがごとく…そして、大人も見えていない“ふり”が出来る環境を!…作り出していきたいものですね。

さて、イラストは現在作り中の計画で、園庭でこれまで使われてこなかったデッドスペースを、大人の目を盗むかのごとくコソコソ出来る・みんな一緒でなくても良い場所づくりをコンセプトにデザインしています。

完成まで、あと少しです!

乞うご期待下さい!三角パース