育む環境の言葉01 〜アプローチ編〜
〜アプローチ〜
おはよう!いってらっしゃい!ただいま!おかえり!また明日…を受け入れる場所でもあるアプローチの空間は場面と場面とが移り変わっていく場所でもあります。
家庭から園の敷地をまたぎ、園での生活拠点にいたるまでの「時間と距離」は子ども達が「気持ちに折り合いをつける空間」として作用します。
これから起こる1日に期待をふくらませて足早になったり…あるいは不安や葛藤から牛歩になったりと…その日、その時、の心の動きが時間と距離によって子ども達ひとりひとりのココロが表れてくるのが、このアプローチ空間でもあります。
私たちは、このアプローチ空間を可能な限りの長さを演出しながら様々な気づきを演出していきたいと考えています。
普通であれば、この距離も時間も短ければ短い程、親から園への子の受け渡しは効率的となり良い?環境とみなされがちです。特に仕事をされている親御さんからしてみれば朝の一分一秒が…と思われるに違いありません。
しかし…。
ぜひ、ここで考えて欲しいのですが…この事の多くは
大人優先の、
大人が主役の、
大人時間の、
大人の価値観である。
…と言う事を、もう一度考えて欲しいと思っています。
子どもの育みには、気持ちに折り合いをつけるのに費やす時間がとっても大切で、子どもの時間や空間は効率では決して解けないものである。
と、私たちは考えています。
特に、子どもにとっては場面が移り変わり、それによるストレスを受け入れざるを得ない場所でもあるアプローチ空間だからこそ、緩やかな場面変化とともに、心を落ち着かせる時間や、多様性のある空間が必要となります。子ども達ひとりひとりが違った気持ちの折り合いのつけ方を見つけ出せるためには環境的に多くの選択肢を用意する…同時に、地域との結節点として、園が地域にもたらす環境的な役割を園の思想とともにこのアプローチの空間で表現していく等…
多くの環境的な役割を合わせ持つ場所として、多様性の中で育む意図を持った空間であると同時に、何気ない道のりの中でも子どもの時間が保障されたアプローチ空間であるべきであると考えています。