園庭をデザインする。〜中間領域〜
内と外との「間」のスペースをより丁寧に計画したいと考えています。
かつて、日本の民家には軒下と縁側と呼ばれる場所がありました。そこでは「柿」や「大根」を干したり庭木に咲く花を眺めたり、鳥のさえずりを聴いてみたり、又、時にはちょっとした大工仕事をしてみたりと、そこではとても豊かな時間が流れていました。その経験からか園舎には今でも、軒下に縁側らしき場所が見受けられます。しかしながら建築基準法上の建築面積内に効率的に収める都合から、なかなか豊かなスペースは取りづらい状況にあるようです。その結果、幅1m以内のただただ細長い形の縁側らしき空間になってしまいます。これでは動線空間としては機能しますが、多くの子どもが「居る」為の場所にはなりづらくなります。
そこで、園舎に付随するものとは別のカタチで「外の保育室」となる場所を積極的に計画します。
外でも積木や色水遊び等が思う存分出来るよう部屋のすぐ前あるいは園舎脇にはパーゴラやシェードを張り、屋外で使えるテーブルや椅子などを置き、部屋の中での遊びが屋外にも展開していくような場や設えを計画します。
ウッドデッキは園舎との連動性を考えるとともに、園庭全体を見通せる位置に設置するように心がけます。
外に居ながらにして内での活動が継続的に繋がっていける場所にもなりますので、部屋の延長として計画をしたり、或いは舞台装置として計画をしたりもします。又、外に出る際に持って行く物の仮置場としても機能しますので、園庭の中でのもう一つの保育室としての機能も果たすよう、可能な限り広く、空間的に区切られた特別な場所として計画をします。又、ウッドデッキは木の下などの木陰が出来る場所やパーゴラやシェードなど日照をコントロール出来る環境である事が望ましいと考えます。