園庭をデザインする。〜砂場〜
砂場
砂場はかつて都市公園法において設置することが義務づけられていた「三種の神器」と呼ばれる施設の一つで、現在の園庭において無くてはならない遊び環境の一つと言っても過言ではありません。砂場は乳児期から幼児期まで幅広い年代の子どもが遊ぶ場所でもあります。
砂場での遊びは「作り出しては壊せる」ところにその醍醐味があるように思われます。何度も失敗を重ねながら、理想とするイメージを追い求めていきますが、必ずと言っても良いほどに思い通りにはいかず、何処かで折り合いをつけなくてはならない遊びの場でもあるのが「砂場」であると言えるでしょう。
最近では砂場の在り方も変化してきています。これまでは四角く枠組した枠内に川砂を敷き詰めたものを一般に砂場としていましたが、枠を丸太で作りながら有機的な形としたり、時には枠を無くしてみたり、斜面状の起伏(02 起伏 参照)にしてみり、山に盛ってみたり、枠の在り方は園庭においては各園の保育観によっても変わってきています。又、砂の材質についても砂の質を変化させて、お団子のつくりやすい粘性を持った山砂も人気が出ているようです。
砂場をどこに配置するかはとても重要です。園庭の大きさや園舎の在り方によってもその配置は変わってきます。
状況によっては砂場を一つで完結させるのではなく、二つ三つと増設を検討することも大切です。
回遊路(03 回遊性 参照)を作る際には砂場を中心に置く事で、その周りに回遊路が出来てくる事もありますので、ただ砂場を配置するだけでなく、砂場を設置する事で生まれてくる周囲との関係を意識しながら計画していきましょう。特に、砂場はシャベルやバケツなどの道具を使う事で遊びが発展していきます。その道具をどこに置くのかも含めて、園庭全体の中でどこにあれば子どもの遊びが発展していくか。周囲の環境との繋がりはどうあれば良いか等々を検討していく必要があります。