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2015.01.27

育む環境の言葉09 ~親の背を見て子は育つ~

背中

親の背を見て子は育つ。

 

 

…親が思い描く姿としてではなく、親が仕事をしている姿も含めて日々の振る舞いはしっかり子に見られています。

そして、その振る舞いが当たり前の様に子にも伝わっていくものだから、親の日々の生活や振る舞いってすごく大切です。

…という様な意味のことわざですよね。

 

古くから子育ての場面で、よく使わてきたことわざですが…育む環境を考える上でも、このことわざはすごく意味を持っていることわざだと思っています。

 

でも、今普段から普通に仕事をしている親の姿って…もはや相当限られた環境でしか見せる事は出来なくなってきてしまっていますよね。

 

…子どもが育つ上では、すごく残念なことの様に感じています。

 

親が仕事をしている姿が身近にある家庭の多くでは、親の真剣な眼差しを身近に感じ取れるとともに、大人の目が仕事をしながらの見守りともなる事での「見守りの緩やかさ」があります。

 

大人と子どもとの適度な距離感とも言うべきか?

 

大人からも付かず離れずの距離での、「逃げ場も持てる関係」にあって、

子どもが自立していく上で適切な距離感を保てた生活がごく自然に送れていましたよね。

 

ところが、いわゆる現代社会の中で培われた多くの親の見守り方は…

 

社会的周囲に張り巡らされた見えない子育てプレッシャーによるものなのか?

コミュニケーション不足とまくし立てられた結果なのか?

 

…「見なくてはいけない…と言う切迫された状況の中で」…

 

 

 

親の「背」を見せると言うよりも…

 

 

親の「お腹の側」を見せ過ぎている様に思えてなりません。

 

 

 

真正面での向き合い方は時に、子の逃げ場さえも奪い去ってしまうことがあります。

 

時には、もう少し、子どもの方もルーズに見守ってほしいと思っているのかもしれません。

 

…ことわざが確かであるならば、子どもは親が思い描く姿としてではなく、親の振る舞いの方をしっかり見ているはずです…

 

だからこそ、「大丈夫ですよ!」と言ってあげたいですし、同時に子どもは自分とは別の人格を持っていることも「良いじゃないの〜」と伝えてあげたいものです。

 

さて、ことわざの件に話を戻しますが…「親」と「見守る人」とには違いがあり、保育を考える上で「見守り人」は「親」には決して成り得ないことは重々承知の上ですが…

 

このことわざで言うところの「親」と言う言葉を「見守る人」に一度置き換えて見てはいかがでしょうか?

 

そうすることで、保育の中での見守りにも、何らか新たな視点が見えてくるかもしれません。

 

 

見守る人の「背」を見て「子」が育つ環境は準備出来ていますか?

 

 

同時に「背」で見守ることで…子どもの逃げ場もつくってあげられる関係でもあって欲しいものです。

 

 

 

やすなか けーぞー