つながるほいくえん御幸が原2014.07/栃木県宇都宮市
3.11の福島県沖で起きた津波報道を受けて…
「自分で自分の身を守る為の行動の一歩が本能的にでも“まず取れる”という事が大切なんだと思う。」
当時副園長のこの一言からこのプロジェクトは始まった。
つながるほいくえんは、つながるほいくえん釜井台につづき2園目のプロジェクトである。
いずれもレイチェル•カーソンの著書「センス•オブ•ワンダー」から法人名を取り、この著書の中で「知ることは感じることの半分も重要ではない」とあるように…この園では知識を教え込む場所としてではなく、ひとりひとりの感性•センスを育む場所でありたいと考えている。
「安全に、安全に…」と子ども達に至れり尽くせり何もかも、全ての事を、大人がしてあげていたら…自然界の“ヒト”としての本能的な部分の育ちにも何らかの悪影響が出てきてしまうのではないか?
この時期だからこそ自然と付き合いながら「環境適応」や「危機回避」といいう能力を感覚的に育むことが必要だという考えから、このプロジェクトでは「自然と共存する園庭の部屋」をつくり出すことを考えた。
園舎とつなぐ 〜立体的な園庭をつくる。〜
ここでは園舎の中庭を園庭にも引き出したかのように「箱」=「庭」を立体的に構成し、遊びの中で屋上と地上とがつながる園庭となるよう構成している。
「箱」=「庭」には自然と「つながる」ための仕掛けや「葛藤」を余儀なくされる要素、自分とは別の「人を知る」ための機会、等々を環境として準備している。
エリアを緩やかに分けた「つながり」
遊具によって緩やかな領域分けを試みている。
乳児の場所・幼児の身体を使った遊びを受け入れる場所・ゆったり静かな活動が行われる場所・自然を感じる場所。そして園と近隣とを分ける門扉をも…分けつつも、これらを複合化することでかえってつなげる役割を担う遊具として計画している。