かほる保育園【気持ちに折り合いをつける〜アプローチ】2021.03/東京都
今回は保育園のアプローチのデザインをコト葉LAB.が担当させていただきました。
アプローチの空間は、朝、子どもによってはとてもストレスを感じる空間となり得ます。親から離れるほんの一瞬の葛藤する気持ちに折り合いがつく様、敢えて動線を長くし、レンガや枕木等を埋め込んだ小道を通りながら滝の流れる「音」を感じたり、四季折々変化する植物の「香り」が漂ってきたり…と、更に石積みで土台を作ったカウンターテーブル&小さなウッドデッキを設定し、園で大切にしている「想い」を表現する場となるとともに、絵本を読んだり、一人にもなれる小さな「居場所」となる事を意図してデザインしてあります。
「豊かさとは何なのか?…」
効率的である事が今の一般的な正しさとなりがちなのですが、ここでは例え非効率でも、たった数歩の間でも「時間」の流れを緩やかにして行くことで、その子その時の気持ちが満足できる空間となる事を意図して計画しました。
自分とは別の誰かに折り合いをつけられるのではなく、自分で自分に折り合いをつける事が子どもが育つ上ではとても大切な事であると考えています。だからこそ、そこで費やされる「時間」にこそ多くの豊かさの「素」が含まれているのではないかと考えています。
親も我が子のそんな葛藤する気持ちに折り合いをつけながら日々成長している「姿」を見つめた上で、その日へと向かう糧となって行って欲しい…その大切な時間をこのアプローチ空間の中ではデザインをしています。
(設計:コト葉LAB./施工:貝塚造園+LEA GARDEN+三角点)